傘&レイングッズ用語大辞典

あ行

浅張り

受骨を長くし、張り方を浅くしたもので、開いた際の直径は標準より5cm程度長くなる。ただし、開いた際の直径が同じでも、傘の生地面積に影響するものは傘骨の本数の多さである。


後染め(あとぞめ)

布を織ってから染色をする方法。単色やプリント生地などのほとんどが後染め生地となる。後染めの反対に先染めという方法があるが、先染めに比べて低コストになり、短期間で大量生産することが可能。下晒し生地があれば、色やプリントのデザイン変更が出来るため、突発的な流行の色や柄への対応に使われやすい。デメリットとしては、染色されるのは糸の表面部分だけになるため、色彩に深みは出しにくい。また、多色で染めると他の糸に色移りや色混ざりを起こすことや、洗濯や摩擦による色落ちもしやすい。


アゾ染料

繊維製品の染色に使用される合成染料。3000種類以上あり世界中で多く使用されている。アゾ染料は皮膚の細菌や酵素により還元分解され、芳香族アミンが生成されるが、ごく一部のアゾ染料には発がん性のおそれが指摘されている特定芳香族アミンを生成する可能性があることから、家庭用品規制法において、2016年4月1日より24種類の特定芳香族アミンを生成するアゾ染料が規制の対象に追加された。

出典:厚生労働省ホームページ


安全式自動開閉傘

改良型の自動開閉傘。手元を収納する途中で手を放しても途中でシャフトが止まる構造を有している。従来の自動開閉傘は手元を収納する途中で手を放すとバネの反発により顔や身体に衝突しけがをする危険性があったことから開発された。

→詳細は自動開閉傘の項目へ


安全ろくろ

開閉時の指挟みを防止する目的で採用されるろくろ。上はじきを保護するようにカバーが付いており、傘を閉じる際のみ使用する。開く際にボタンを押していると、傘が固定されないため、開く際はろくろ周辺を持って開く必要がある。


アンブレラアワード

スーツケースの伝道師こと佐藤宏樹が主催し、2020年に発足した傘の年間大賞。賞の管理は有志団体「みんなの雑貨党」に帰属する。業界関係者(メーカー、販売店、小売バイヤー)が参加し、「他社製品の中で今年1番輝いたアイテムに投票」というルールのもと投票が実施され決定する。受賞結果はフリー素材として販売店における販促物として使用される。新商品や現行品を限定せず、プロの視点で幅広い商品が評価されたランキングである。

出典:みんなの雑貨党HP


アンブレラ・マスター

洋傘売り場において専門的知識を有する販売員や流通担当者を、アンブレラ・マスターとして認定する資格制度として2006年に発足した。日本洋傘振興協議会が主催している。資格を得るためには、所定の講習と認定試験を受ける必要がある。

出典:日本洋傘振興協議会


移行昇華

分散染料※1 で染色されたポリエステルの傘生地の色が、他の部分へ移行汚染(色移り)してしまう現象。 ポリエステルの場合、高温の熱処理によって発生する。また、防水コーティング剤と染料が化学反応することもある。特に濃色と淡色が接触しているような場合において、濃色から移行しやすい。現在は染色技術やメーカーの管理体制の向上改善により、移行昇華の確率はかなり低下しているが、確実に発生しないというものではない。

※1水に不溶または難溶だが、適当な分散剤を用いて水中に微粒子(コロイドに近い状態)として分散させると,アセテート,ナイロン,ポリエステルなどの疎水性合成繊維に染まる染料。


石突

傘に限らず、棒状の道具における、地面に突き立てる(接する)部位を指す呼称。中棒一体型と中棒に被せるように取り付ける「別石突」があり、現在流通している多くの傘では別石突が採用されている。


ウォーミングアップ

傘を開く際の注意点。傘を無理やり開くと生地が絡んで骨を傷める可能性がある為、それを防ぐために行う。ネームバンドを外してから、2~3回軽く振って生地をほぐした後、そっと開く。


雨晴兼用(うせいけんよう)

晴れでも使える雨傘の総称。逆に雨でも使える日傘の総称を晴雨兼用と呼ぶ。厳格な基準があるわけではなく、メーカーによって表記が混在されている。雨晴兼用と認識される傘は①傘の内側に遮光遮熱コーティング加工が無い②紫外線防止加工のみ施されている といった特徴が挙げられる。ビニール傘を除く近年の雨傘の多くが紫外線防止加工を施しているため、雨晴兼用傘はユーザーの認知以上に多く使われている。


親骨(先親骨 元親骨)

傘を開いた際に中心から放射状に取り付けられた傘パーツ。生地を支える主要な骨。傘を使用する際の目安になりサイズはこの骨の長さで判断する。一般的な女性向け折り畳み日傘では親骨50㎝が多く、雨傘使用がメインになると親骨55㎝が多く、特に近年はリュック需要が浸透したため、背中まで守れる親骨60cm以上のサイズの販売が増えてきている。


か行

カーボンファイバー骨

炭素繊維からなる強化プラスチックの骨で、軽量かつ丈夫な骨として超軽量を謳った傘や高級傘によく採用されている。加工の際に高い技術が必要とされ、スチール、グラスファイバーといったその他の傘骨と比較すると最も高価。骨自体は非常に良くしなり、丈夫であるが、結合部に負荷がかかりやすくなるというデメリットがある。


傘仙人

傘ブランド「mabu(マブ)」を展開する、株式会社 SMV JAPAN(エスエムヴイジャパン)の社員、畑村 昌志氏のメディア活動名称。2019年12月、傘ソムリエ土屋博勇喜氏とのYouTube動画にてその存在が認められたが、その後目立った活動は報告されていない。畑村氏曰く、「仙人は滅多なことでは人里には下りてこない」とのこと。決してオファーが少ないということではないらしい。


傘ソムリエ

傘ブランド「Waterfront(ウォーターフロント)」を展開する、株式会社シューズセレクションの社員、土屋 博勇喜(ひろゆき)氏のメディア活動名称。22歳から、株式会社東急ハンズでレイングッズを担当。様々なメーカーの傘に触れ、つくり手のこだわりや機能性、美しいフォルムに魅了され傘の虜となる。2019年に転職、傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動を始める。傘やレイングッズの開発・監修、商品紹介動画の配信、各種テレビ番組への出演など、傘にまつわる幅広い分野で活躍している。「自分でさして納得した傘だけをお客様に届けたい」という思いから、給与の大半を傘に注ぎ、100本を超えるコレクションを持つ。

出典:傘ソムリエHP


傘の日

6月11日。1989年(平成元年)に日本洋傘振興協議会(JUPA)が制定。日付はこの日が暦の上で「梅雨入り」を意味する雑節の一つ「入梅」になることが多いことから。この季節の必需品である傘の販売促進と傘の使い方などモラルの向上が目的。


グラスファイバー骨

ガラス繊維からなる強化プラスチックの骨でFRP(Fiber Reinforced Plastics)とも呼ばれる。骨の特徴として引張強度と弾性率が共に高く、製造面においても寸法安定性が良く、主原料の約80%がリサイクルガラスを使用していることから安価で手に入ることから主要な傘骨として採用されている。しかし、骨が折れた際に断面のガラス繊維は細くて肉眼では非常に見えにくいため、破損した部分等に触れ、怪我につながる場合もあり、2015年に国民生活センターより注意喚起が出されている。

出典:国民生活センター


さ行

先染め

布を織る前にあらかじめ糸を染色する方法。しっかりと染色されているため、深みのある色を出すことが出来る、さらに色を組み合わせることで様々な柄を織ることも可能。また、色落ちしにくい特徴がある。ただし、染めるのに時間がかかり、染料も多く使うため高コストになる。先に色や柄を決めて織るため、人気のある色や流行に素早く対応することは出来ない。


紫外線遮蔽率

光には「紫外線」「赤外線」「可視光線」に分かれるが、3つのうち、傘の生地が「紫外線」をどれくらい遮るか表した割合。UVカット率とも呼ばれる。数値が大きいほど、紫外線を遮蔽する効果が高いことを示し、傘を日焼け対策として使用する場合、この数値が重要になる。JIS規格では紫外線遮蔽率測定とUPF評価の測定方法が規定されており、国内向け製品では前者で評価される傾向にある。UVカット率とも呼ばれる。

関連:一般社団法人カケンテストセンター


自動開閉式⇔ダブルジャンプ式

手元部分のボタンを押すと、シャフトが伸びると同時に傘が開き、再度ボタンを押すと傘が閉じることから自動開閉式を呼ばれる。構造上、シャフトがしっかりと奥に入るロック状態にないと開くことが出来ない。収納時は傘の頭を押さえ、手元に押し込むことで元の状態に戻る。車の乗降時や片手が塞がっている時に非常に便利で、使い方をしっかりと守れば便利な傘だが、使い方に不慣れなユーザーが購入時に間違った試用をすることによって、店頭商品の故障が発生することがある。そのため、購入時には開閉のチェックを行うことを推奨する。使用時には骨の負担を低減させるため、傘が地面と水平になる様にして開閉をすることや、バネの故障を起こさないよう、無理に手で伸ばさないなどの注意が必要。一般的な傘と比較したデメリットとしては重量が重くなる、収納時にバネの反発力があるため力が必要になるといった点が挙げられる。

【自動開閉傘の事故について】※1

従来の自動開閉傘は手元を収納する途中で手を放すとバネの反発により顔や身体に衝突しけがをする危険性があったことから、2008 年5月に独立行政法人国民生活センターによって自動開閉傘の危険性について注意喚起公表が行われている。その後、2013 年に家庭用品品質表示法が一部改正され、「傘の開閉時及びシャフトの伸縮時には、顔や身体から離して使用する」旨を取扱い上の注意として表示することが義務付けられることになった。後に安全式と呼ばれる自動開閉傘が登場し、手元を収納する途中で手を放しても途中でシャフトが止まる構造のものが多く販売されるようになったが、従来式のものも依然として販売されている状態である。

出典:※1・独立行政法人国民生活センター ・日本洋傘振興協議会


遮光率

光には「紫外線」「赤外線」「可視光線」に分かれるが、3つのうち、傘の生地が「可視光線」をどれくらい遮るか表した割合。遮光率はJIS規格で等級が定められてる。

・1級:遮光率99.99%以上

・2級:遮光率99.80%以上~99.99%未満

・3級:遮光率99.40%~99.80%未満

遮光は0.01%の違いでも機能的には目視で体感出来るほど大きく異なる。遮光率が高ければしっかりとした日陰を作ることが可能になるため、傘を暑さ対策として使用する場合、1級遮光の使用がが望まれる。日焼け対策の場合は「紫外線遮蔽率=UVカット率」を確認する必要がある。多くの場合、傘生地の裏側にポリウレタンコーティングやラミネート加工を行うことにより、紫外線遮蔽と同時に遮光性を高めている。近年、「完全遮光」「遮光率100%」を謳う企業が多く現れているが、これは生地の検査結果のみを表しており、縫製の隙間や照り返しなどは考慮されていない。そのため、多くの企業では完全遮光生地を使用していても遮光率99.99%と表記されている。

関連:一般社団法人カケンテストセンター


遮熱、遮熱効果

傘生地が熱を遮る効果を有するかを表す表現。JIS規格の遮熱性試験により、温度上昇がどれくらい抑制できるのか測定される。一般的に遮熱率が35%以上ある場合に遮熱効果があるとされるが、百分率で表すことは殆どなく、遮熱マークや「遮熱効果」といった表現で記載される。また、遮熱に関しては「-7度涼しい」といった表現が散見されるが、使い方や環境によって大きく左右されるため優良誤認にあたる可能性がある。傘ではないが2015年に株式会社ダスキンが公正取引委員会より措置命令が下されている。※1

関連:一般社団法人カケンテストセンター

出典:※1公正取引委員会


JUPA

日本洋傘振興協議会(Japan Umbrella Promotion Association = JUPA)の略称。全国の洋傘製造業者有志により1963 年に設立された。以来、会員企業は、洋傘の品質向上と安全性の確立はもとより、常にファッショントレンドの研究や機能性の向上を追求し、より高い付加価値のある製品の開発に努力してきた。また協議会では、独自にJUPA(ジュパ)基準を設定し、会員の洋傘の品質・信頼・安心の証として、JUPA マークを発行している。

出典:日本洋傘振興協議会


JUPA番号

JUPAマークおよび4桁の管理番号 (以下略してJUPA番号)に加え、表示者として各会員または日本洋傘振興協議会の連絡先が明記されている。※修理依頼の際にメーカー修理先等の確認に活用。

出典:会員企業|日本洋傘振興協議会


JUPA基準

日本洋傘振興協議会(JUPA)が定めた洋傘の品質基準。製品の操作性、耐久性、耐漏水性、骨の強度、表面処理、生地の防水性、染色堅ろう性、収縮度、引張強度など31項目の基準をが定められている。JUPA基準の詳細は下記リンクにて公開されている。

出典:JUPA基準|日本洋傘振興協議会


純パラソル

陽射しを防ぐ用途に特化し、雨を防ぐことを想定していない純粋な日傘。 生地に防水性を求めない為、和装などにも合わせたりファッション性に富んだものが多い。 綿や麻などの天然素材を使用しているものが多い。


ショートスライド傘⇔スライドショート傘

中棒が2本あり、スライドし伸縮することで畳んだ状態がコンパクトになる。主に日傘をメインとした晴雨兼用タイプに用いられることが多いため、女性向けのデザインのものが殆どとなっている。長傘に比べ石突きや手元がコンパクトなことも特徴。


晴雨兼用

雨でも使える日傘の総称。逆に晴れでも使える雨傘の総称を雨晴兼用と呼ぶ。厳格な基準があるわけではなく、メーカーによって表記が混在されている。晴雨兼用と認識される傘は傘の表生地に撥水加工が施されているという特徴がある。撥水加工は雨に濡れたり、使用頻度によって低下するため、高い耐水性を求める場合、天然素材の晴雨兼用傘の使用は推奨されない。一方、裏側にポリウレタンコーティング加工が施された傘は裏側に防水効果がもたらされるため、天然素材の日傘よりも高い耐水性が得られる。晴雨兼用傘の中には表生地にも高い撥水性を有するものも多く、雨傘と日傘の境界線は無くなりつつある。


た行

耐水圧

水が生地に浸みこもうとする力を抑える性能を表す数値。 数値が大きいほど耐水性が高い。カケンテストセンターでは薄手のレインウェア生地の場合、低水圧法で測定され、昇圧速度60cm/minまたは10cm/minで試験片に水圧をかけていき、水滴が3滴出水した時点の水圧を測定されている。厚手のレインウェア生地では高水圧法で測定され、昇圧速度100kPa/minで試験片に水圧をかけていき、水滴が3滴出水した時点の水圧が測定される。一般的な傘の耐水圧は250~500㎜程度とされる。一方、レインウェアは体に密着するため圧力がかかる場所が多く、簡易なレインウェアでも5,000㎜程度は必要とされている。一般的な成人男性が濡れた面に座る際、かかる圧力は10,000㎜以上とされるため、レインウェアには高い耐水圧が求められる。


多間傘(たけんがさ)⇔多骨傘

一般的な8本骨の傘と比較して、親骨を多く使用した傘で16本骨、24本骨などがある。骨が多いことで和傘のような雰囲気になり、ファッションとして好まれる傾向がある。また、機能面でも骨が多いことで、風に対して丈夫になる、カバー面積が広くなる、傘を閉じた際の生地コンパクトなため傘生地をまとめやすいなどの利点がある。デメリットとしては骨が多い分、重くなりやすい、傘生地をまとめた際に太くなるなどが挙げられる。


超撥水

「超撥水」とは、一般的に液体と固体表面との接触角が150°を超えた状態を指すが、傘業界においては明確な定義はなく、接触角140~150超えまで様々あり、各社独自の表現になっているのが実情。ただし、一般的な撥水では水滴が楕円状になるのに対して、超撥水では球状になるという点では共通している。撥水、超撥水どちらも共通して言えることはあくまで新品使用時の状態であり、使用後は徐々に撥水性が低下していく。


T/C

TC混、綿混とも呼ばれるポリエステルと綿の混紡素材。T=テトロン、C=コットンの略で、ポリエステルがテトロン(帝人と東レの共同商標)と呼ばれていた名残りからT/Cと呼ばれる。晴雨兼用傘の生地に綿のような風合いを出したいときに採用される。ポリエステル60:綿40あるいはポリエステル70:綿30の混紡比率が多くみられる。


な行

日本日傘男子協会

男性用日傘とその愛好者を増やすことを目指し普及啓蒙活動を行う一般社団法人。2019年環境省「男性用日傘に関する意見交換会」にて、当時の環境大臣原田義昭氏が「これからはSNS等ネットを活用し普及に努めるのが大事」と発言したことを受けて、 宮武和広(男も日傘をさそう会 主宰/心斎橋みや竹四代目)が設立した。

出典:日本日傘男子協会


日本洋傘振興協議会

日本洋傘振興協議会(Japan Umbrella Promotion Association = JUPA)は、全国の洋傘製造業者有志により1963 年に設立された。以来、会員企業は、洋傘の品質向上と安全性の確立はもとより、常にファッショントレンドの研究や機能性の向上を追求し、より高い付加価値のある製品の開発に努力してきた。また協議会では、独自にJUPA(ジュパ)基準を設定し、会員の洋傘の品質・信頼・安心の証として、JUPA マークを発行している。

出典:日本洋傘振興協議会


は行

パゴダ

パゴダとは卒塔婆 (そとば) の変形として建てられた、仏舎利(釈迦の骨)を収める仏塔で、特にミャンマーの仏塔をいう。その形を傘のデザインに取り入れたものを傘用語でパゴダ傘という。天蓋が中棒の先端側に(傘先に向けて)引っ張り上げる構造となっており、突き上がったトップによる独特のフォルムが特徴。ヴィンテージ感のあるファッション性を持っているため、ゴシックロリータファッションのユーザーから多くの支持を集めている。


撥水加工

傘生地の表面に撥水材を加工することで、生地表面の細かい産毛が密集して立っている状態になり、水を弾く。この状態を「蓮の葉効果」とも呼ぶ。一般的に傘生地の表側は撥水加工、裏側には防水加工が施される。ただし、撥水加工は保管年数、使用頻度、使用方法によって撥水機能が徐々に低下する。日々のメンテナンスとして、生地の裏側から低~中温度のアイロンを当てる、表側からドライヤーで温めるなどすることで撥水効果がある程度回復する。長年、ワックスやシリコン系加工剤に比べ、機能性が高いといわれるC8フッ素系撥水材が多く使われてきたが、安全上懸念点のある「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」を含むことから、より安全なC6あるいはC4フッ素系撥水剤や非フッ素撥水剤への置き換えが強まっている。しかし、従来の代替撥水剤は機能の低下が著しいことから、環境面と撥水機能を両立した撥水加工の開発が急速に進んでいる。


PFOA

「PFOA(ペルフルオロオクタン酸)」は傘の撥水加工に使われるC8撥水材に含まれる有機フッ素化合物の一種で、略して「ピーフォア」と呼ばれている。PFOAは自然環境下では分解されず、人体に長期間に渡って蓄積された際の危険性が指摘されており、これを含有しない撥水剤への切り替えが傘業界でも急速に進められている。(PFOAフリー)これは2006年に米国環境保護庁が「PFOA自主削減プログラム(PFOA 2010 / 2015 スチュワードシップ・プログラム)」にて、世界の主要なフッ素化学メーカーに「PFOA」の排出と製品含有を2015年までに廃絶する計画参加を呼び掛けたものに端を発しており、2019年、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約にてPFOAの製造や使用廃絶に向けて取り組む合意が加盟国の間でなされ、日本では2021年10月、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第一種特定化学物質に指定されて規制対象となった。傘、レインウェアにおいてはレインウェアは規制対象、傘は規制対象外となっている。(2022年6月現在)

出典:経済産業省


ポリエステル

撥水性や発色の面でナイロンよりも優位性があり、コスト面でも同程度ということから傘生地の主要素材として世界中で使われている。デメリットとしては移行昇華が発生しやすい。


や行

UVカット率

UVカット率=紫外線遮蔽率



スーツケースの伝道師の巣

【スーツケースの伝道師公式HP】スーツケースや旅の道具をこよなく愛するトラベルグッズのスペシャリスト、スーツケースの伝道師(さと)があの手この手で道具の魅力を発信します。テレビ、ラジオ、雑誌、イベントetc…基本なんでもやりますが、グラビアはごめんなさい!

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