【メインディッシュは旅道具 Vol.2】伝統と革新、超静穏のスーツケースに会いに鞄業界一の老舗に行ってきた

どうも、三度の飯よりスーツケース!スーツケースの伝道師さとです。スーツケースや旅の道具を愛してやまない私が、メーカーを訪れて、至福の時間を過ごす私のための企画、それが『メインディッシュは旅道具』です!

今回も私の空腹を満たしてくれそうなところに行ってきました!1824年(文政7年)創業の超老舗、エンドー鞄株式会社の東京支店です〜♪

伝統と革新のスーツケース達が登場!


そうそう、私がなぜ「支店」に行くかを説明しましょう。日本には4大鞄産地と呼ばれる場所がありまして、東京・名古屋・大阪…そして生産量日本一といわれているのが兵庫県の豊岡市なんです。そして、今回伺ったエンドー鞄さんも豊岡。東京から約5時間…やめときましょ、ということで東京、浅草橋にある支店にお邪魔してきました。

迎えてくれたのは柔道金メダリストのウルフ・アロン選手、ではなく営業担当の安井さん。伸長190㎝近い巨漢なので、展示スペースが狭く見えるかもしれませんが、決してそんなことはないですよ!


伝道師:安井さん、本日は宜しくお願いします!


安井:宜しくお願いします。口下手なので上手く説明できるか不安ですが頑張ります。


伝道師:安井さんとは長い付き合いなので、口下手具合はよくわかっています(笑)。そんな口下手の安井さんに申し訳ないんですが、まずは会社の説明してもらってもよいですか?


安井:はい。弊社は1824年(文政7年)創業で、鞄業界一の190余年もの歴史を誇る鞄メーカーです。伝統を踏まえながら、バッグのプロとしての誇りとこだわりを持ち、お客様満足度の高いバッグの開発を目指しています。お客様により良い鞄をお求めやすくご提供するために日本だけにとどまらず、世界に目を向けた材料調達や縫製を行なっています。縫製品質・製品検査などは、徹底した管理のもとで進めており、 特に海外で生産した製品の検査は、現地で行なったのち日本に運ばれ、日本国内でも再度行ない、安心してお使いいただけるように努めています。


伝道師:なんだ、ちゃんと説明出来てるじゃないですか!


安井:はい、ホームページにそう書いてあるので。


伝道師:そうきたか(笑)。説明してもらったように御社は伝統を守りつつ、革新性のあるアイテムを出しているというイメージはありますね。特に革新という部分ではやはりフリクエンターですよね!

静かなスーツケースの代表選手といえるフリクエンターシリーズ


伝道師:これですよこれ!私も2台持ってます。


安井:ありがとうございます。スーツケースの伝道師としてはどの辺りが革新的だと思われますか?


伝道師:そりゃあ、やっぱりとにかく静かなキャスターですよ!その細部を語るなら、1番は内輪と外輪が回る特許取得の特殊構造タイヤですね。走行音を打ち消すというアプローチはこれまでに無かったですから。そして、小型ベアリングの分野では世界トップのミネベアミツミ社製ベアリングと、二重構造の柔らかなゴムがこの機構を支えることによって、地面からの振動を直接ボディに伝えず、比類なき滑らかな走行を実現しているわけです。本当に凄い!

特許取得の特殊構造タイヤ


安井:ありがとうございます。他にもありますか?


伝道師:他に?消耗したタイヤ部分を自分で交換出来るのも特徴ですよね。キャスターってタイヤ部分だけでなくベース部分が破損することがあるし、DIYでやると品質にバラつきが出てしまうから交換パーツの販売って普通やらないじゃないですか?でも、それをあえて販売するというのは、交換キャスター販売の是非はともかく、キャスターに対する自信の表れだと思っています。あと、よく「タイヤが柔らかくて消耗が早いから交換パーツ出しているのでは?」なんて声が聞かれますが、そんなことは無いんですよね。様々なスーツケースを比較して使用してきましたが、消耗に差を感じたことはありません。


安井:全部説明していただいて助かりました。


伝道師:あれ?もしかして上手いこと言わされていました?


安井:はい。口下手なもんで(笑)。でも、本当にキャスターの静かさには自信を持っていまして。こんなデータもあります。

安井:主要なメーカーの中でも1番静かでした。


伝道師:でた。見る人が見ればどこの会社のことを言っているかわかってしまう、攻めた比較リスト!これの補足説明をすると、無響室で約1mの距離を2秒で走行させて、2回の平均値をとってるんですよね。10kgの重さを入れて、走行路Aは一般的なアスファルトを模した走行ボード、走行路Bはより凹凸の強い走行ボードを使用して実験しているわけです。まぁ、自信が無ければこんなデータは出せませんよね。


安井:実際の音の違いはこの動画を見てもらいたいです。

伝道師:動画で誇張しているわけではなく、本当にこれくらい静かですよね!…それはそうと安井さん、私に説明させたり、データや動画に頼ったり、全然自分で説明してないじゃないですか!!


安井:バレましたか(笑)。


伝道師:バレバレです!も~、じゃあ、安井さんの一押しモデルを教えてください!

安井:えーっと…フリクエンターブランドで私が最近推しているのはこちらのジョクリスです。これは旅だけでなく日常使いも出来るようなデザインにしていまして、バッグ部分は取り外して使えるのでシーンに合わせて使い分けることが出来るのが特徴です。

バッグ単体でも使用可能


伝道師:意外にもレディースのキャリーでしたか!


安井:なかなか旅に行きにくい状況ですけど、フリクエンターのキャスターがお役に立てることって旅以外にもあると思うんです。特に力のない女性にはショッピングだったり、習い事に行く際に使用したり、少し重い荷物を運ぶときにジョクリスを使ってもらいたいと思います。


伝道師:旅だったら、ホテルまではキャリーで行って、必要な荷物だけバッグに入れて、現地ではトートバッグで移動するなんて使い方も出来ますね!


安井:フリクエンターブランド以外では、ファイバーボードを使った製品を作り続けていることをもっと知ってほしいです。ファイバートランクは昭和3年頃に商品化されまして、昭和11年にはベルリンオリンピックの選手団の鞄に採用されたという歴史があります。

ヴァルカナイズドファイバーを使用したトランク『HOKUTAN』


伝道師:これもアツい!美味!!ファイバー素材は、衝撃、磨耗に強く耐久性もあり、しかも軽くて静電気による汚れにも強い。スーツケースといえばポリカーボネイトが主流ですが、御社が採用している『ヴァルカナイズドファイバー』は、コットンパルプや木材パルプを原料として作られる自然派素材ですから、プラスチック代替素材としてSDGsへの貢献も、改めて注目されていますね。


安井:長年培った経験と技術が、新時代に求められていることは非常に嬉しいです。


伝道師:こういうこと言ったら怒られるかもしれないですが、スポーツの日本代表スーツケースにもこういう国産ブランドを採用してほしいんですよね!海外ブランドとのコラボではなく。ファイバーでもいいですし、それこそ伝統工芸でもある柳行李を今風にアレンジしても面白いかもしれない。


安井:柳行李を持った選手団が世界を相手に戦う…想像すると胸アツですね!


実は旅道具大賞2020の覇者でもあったエンドー鞄!


伝道師:いや~今日もスーツケースのことをたっぷり話せて、私のお腹も満たされました!そうそう、御社のリュックキャリー『スパッソ セパレートリュックキャリー』は昨年の旅道具大賞で最優秀賞を受賞しましたね!今年も各メーカーのエントリーが始まっています。どうですか、今年もいけそうですか?


安井:昨年は競合他社から多くの票をいただけて本当に嬉しかったです。今年はコロナ禍という大きなうねりの中で、進化を遂げていったスーツケース達が出てくるでしょうから、なかなか厳しい戦いになるかと思いますが、また選んでいただけることを願っています。


伝道師:楽しみにしています!!

旅道具大賞2020についてはこちらへ≫

旅道具大賞2020、デイリーキャリー部門最優秀賞を受賞したリュックキャリー。


おわりに


今回はスーツケース業界の超老舗、エンドー鞄株式会社さんにてたっぷりと腹を満たしてきました!革新性のある開発だけでなく、伝統の中から新時代にあったものを再提案していくエンドー鞄さんの姿勢には学ぶことも多いと感じました。

次回もスーツケース業界を新しいステージに引き上げているアツいメーカーさんにお邪魔したいと思います!

それでは次回またお会いしましょう~!



スーツケースの伝道師の巣

【スーツケースの伝道師公式HP】スーツケースや旅の道具をこよなく愛するトラベルグッズのスペシャリスト、スーツケースの伝道師(さと)があの手この手で道具の魅力を発信します。テレビ、ラジオ、雑誌、イベントetc…基本なんでもやりますが、グラビアはごめんなさい!

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