そんな数少ない人物画のうちの3作を本日はいつにも増してたっぷりとご紹介します。私はこの絵を観るたびに胸がキュッと苦しくなるのです。
日傘をさす女性と、帽子をかぶった小さな男の子が描かれています。この女性は最愛の妻・カミーユ、男の子は長男のジャンです。風に吹かれて流れる雲を背景に、愛する家族がこちらを見つめている、多幸感に包まれた作品です。
本作が制作された頃、モネの家族は経済的に最も苦しい時期で電気も暖房もない生活をおくっていました。しかし、この頃の作品は明るく活気のあるものが多く、モネが家族を大切に想っていたことが伝わってきます。
貧しくも幸せな生活は長くは続きませんでした。本作が描かれたその4年後、妻のカミーユは結核(子宮癌という説も)を患い、32歳という若さでこの世を去ってしまうのです。
ところで、1級遮光と書かれた日傘は光を99.99%以上カット、紫外線99%以上カットしてくれる優れもの。長時間のモデルになる際は確実に重宝しますよ。
(続きます↓)
出演スーツケース&傘
・GLOBETROTTER サファリ
・hands+ 1級遮光傘
カミーユの死から6年後、再び人物画を描きます。それが「日傘をさす女 左向き」です。モデルは後妻アリスの娘シュザンヌです。しかし、人物画と呼ぶにはあまりにも表情がありません。1875年の作品と同じ構図、腰にはカミーユが愛したひなげし…これは追憶のカミーユを描いたと思いませんか?
周囲には「風景画のように人物画を描きたい」と語っていたモネですが、私にはモネが、新しい家族との生活の中で、記憶の中の風景になりつつあるカミーユを描きたいと思っていたような気がしてなりません。
さて、この絵の女性が持っているスーツケース、フランスの「DELSEY シャトレーハードプラス」は印象派の絵画のようなスーツケースです。実はDELSEYのロゴは夕日がモチーフになっています。
カミーユが亡くなってしばらく、モネはセーヌ川の夕日を描き続けました。シャトレーハードプラスの夕日のロゴ、夕日に煌めく水面のように、光が当たると輝くエンボスボディは、時の移ろいを描いたモネの絵画そのものだと思いませんか?シャトレーハードプラスを眺めているとモネの追慕の情が胸に染み込んできます。(私だけかもしれませんね)
(続きます↓)
出演スーツケース&傘
・DELSEY シャトレーハードプラス
・hands+ 全天候型簡単開閉傘Ⅱ
そして最後に「日傘をさす女 右向き」です。この作品はモネが生涯手放さなかったといわれています。こちらもモデルはシュザンヌですが、やはりカミーユを描いたものでしょう。
前作とは太陽の向きが異なるのは、時間の経過による光の変化を表現したかったのだと思われます。しかし、カミーユとモネの物語を知ったうえで眺めると、影のない女性がより一層幻想的な存在感を醸し出し、特別な絵画として入り込んできます。
実は、この「物語を知ったうえで眺める」ということが、この3部作を語るうえで重要なポイントなのではないかと私は考えています。冒頭、「画家の手を離れて完成された作品」とお伝えしましたが、モネの人生におけるカミーユの存在を知ってから1作目の日傘の女を鑑賞するとまた違った感情を持つことが出来るのです。
もう一つ付け加えると、モネは愛息ジャンにも1914年に先立たれています。
逆光の中でこちらを見つめる2人の存在が、苦しい時を共に過ごした愛する家族の幻影のように映ってきませんか?
絵画って技術的な鑑賞や作家の意図を読み解くだけでなく、自分の中で解釈を創造する楽しみもありますよね。その楽しさを教えてくれたこの作品が私はとっても大好きなんです。
出演スーツケース&傘
・RWA スーツケース
・w.p.c×東急ハンズ 遮光切り継ぎタイニー
(このシリーズは私の大好きなスーツケースと絵画を組み合わせた二次創作です。普段馴染みのない人にも興味を持っていただくきっかけ作りとして、遊び心を持ってやっているもので、名画を冒涜する意思は一切ありません)
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