歌川広重 「東海道五拾三次 蒲原 夜之雪」(1833~36頃)言わずとしれた歌川広重の傑作です。物寂しげな夜の街道をゆく旅人達、深々と降り積もる雪…冬の寒さと空気の音が伝わってきます。また、濃淡のある雪の表現方法からはその柔らかさまで感じられます。この寂しげな世界観とは対照的に勢いを持って夜空を駆けるサンタクロース…いや、スーツケースの伝道師。天保の時代の旅人をサポートすべく精力的に活動していたようですね。伝道師いわく「雪道ではリュックキャリーにしましょう。そして決して無理せずタクシーを使いましょう」らしいですよ。本日の出演スーツケース・hands+ ライトシリーズ フロントオープン(このシリーズは私の大好きなスーツケースと絵画を組み合わせた二次創作です。普段馴染...2020.12.24 23:12旅道具と芸術巡礼
【番外編】ミヒャエル・エンデ「モモ」(1973)時間どろぼうと盗まれた時間を人間に取り返してくれた女の子の不思議な物語。世界中で愛されている名作ですよね。エンデは、仕事に対する愛はないが頭はいい、そんな人々が作り出す社会を「機能は完璧だけど、本質をまったく欠いた世界」という言葉で表現しています。作品が発表されてから50年近く経つわけですが、時間を超えてエンデから厳しくお叱りをうけているような気持ちになってきます。ところで。地元の古い団地にパン屋さんがあるんですね。店主は家庭教師とパン屋を兼務していて、プロという感じもなく味はまあ普通。でも人柄が良くて、雑談が楽しく、実家のような居心地の良さがあって、ついつい訪れてしまうん...2020.12.19 07:29旅道具と芸術巡礼
ジョルジョ・デ・キリコ 「通りの神秘と憂鬱」(1914)消失点が複数ある奇妙な遠近感、何を伝えたいのかわからない風景、しかしなんとなく既視感があるような…不思議な静寂と不安に包まれた絵画です。イタリアの画家キリコは形而上絵画と呼ばれる、超感覚的な絵画のジャンルを作りました。後のシュールレアリスムにも大きな影響を与えています。こういう絵画は色々語ってはいけませんね、「考えるな感じろ」です☝️ところで少女が懸命に押しているスーツケース、よく見るとボコボコになっていて、妙な不安に襲われますね。このスーツケースはイタリア🇮🇹のブランドで「クラッシュバゲージ」といいまして、最初からあえてボコボコなのです!これもファッション!!本日の出演スーツケース・CRASH BAGGAGE アイコン...2020.12.03 22:55旅道具と芸術巡礼
ジョン・シンガー・サージェント 「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」(1885)ジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したアメリカの画家です。多くの肖像画を描いたサージェントの代表作が本作です。ここ最近、私の周りではお別れが非常に多く、今回は惜別の花束代わりになる絵を使いたくてこの作品をチョイスしました。次のステージへ進むことになったスーツケース業界の同志へ贈ります。この絵のタイトルにもある黄色いカーネーションからは「有情」の花言葉を、リリーからは「誇り」、ピンクローズからは「感謝」の言葉も込めてお届けしたいです。そして「時間」というテーマも。この絵は夏の終わり、昼から夜になるその間を描いたものです。当たり前ですが、我々は同じ時間に留まっていることは出来ません。楽しかった時...2020.12.03 11:20旅道具と芸術巡礼