ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(1884~86)さて本日は光学と色彩理論に基づいた点描技法で、新たな絵画の世界を切り開いたスーラの代表作です。タイトルを付けるとすれば「グランド・ジャット島の日曜日の午後は日差しが強いので、日傘とスーツケースでお出かけを」といったところでしょうか。(長い)私、実はこの絵、そんなに好きじゃなかったんですね。どうも技術研究に傾倒しすぎてるというか、人間味が無いというか…。でも今回、絵の中にスーツケース達を忍ばせるために、隅々までこの絵を眺めて改めてこの絵の凄みに触れました。だってこの絵、207.6 cm × 308 cm もの大作なんですよね!それをこの点描で描くなんて変態すぎますよ!!!技術も突き詰めるとアートに...2020.09.29 15:56旅道具と芸術巡礼
ヨハネス・フェルメール「牛乳を注ぐ女」(1657頃)光の画家フェルメールが活躍した時代にはまだ折りたためるケトルが珍しかったんでしょうね。大切そうに愛でております。「株式会社ミヨシさんの折りたためる電気ケトルは取っ手含めて簡単にコンパクトになるので旅行はもちろん、自宅でも場所とりません!フェルメールも愛用してます!!」そんな気持ちで描かれた作品なのかもしれません。本作は17世紀バロック期を代表する画家フェルメールの代表作の一つですね。この時期の画家らしく明暗のコントラストが美しいです。それからフェルメールブルーとも評されるウルトラマリンブルーの美しいこと!イエローが補色関係になって引き立てていることも注目です。個人的に好きな部分は螺旋を描いて注がれるミルクの描写の緻密さです!あえ...2020.09.29 07:14旅道具と芸術巡礼
俵屋宗達「風神雷神図屏風」(17世紀初期)私の大好きなゲストハウス「BUNKA HOSTEL TOKYO」さんからリクエストいただきました!営業再開を祝して俵屋宗達の風神雷神図にスーツケースを持ってもらいました!笑風神さんは浅草でかなりお土産買い込んだようですねー。「hands+ポケッタブルボストンバッグ」に人形焼がたくさん入ってそうです。雷神さんもスーツケース2台使いで気合い充分です。少し前の浅草はこの風神雷神のような外国人観光客でごった返してましたが、今は修学旅行生がちらほら…あとは地元の方や近隣からの観光客だけですね。しかし、今だからこそ味わえる浅草の姿があると思いますので、街歩き堪能してみてください。(BUNKAさんや浅草の乙な楽しみ方については東急ハンズのヒ...2020.09.27 06:22旅道具と芸術巡礼
ヒエロニムス・ボス「快楽の園」(1510~15頃)「快楽の園でスーツケースの伝道師を探せ!」新しい旅の提案を探そうと飛び出したスーツケースの伝道師と仲間たち。気づけばフランドル(現在のオランダ)の鬼才、ヒエロニムス・ボスの生み出した快楽の園に紛れ込んでしまったようです。どうか、皆さん彼らを元の世界に連れ戻してあげてください!なんてね笑本作は観音開きの扉を開くと3つの絵が現れる三連祭壇画です。正方形の絵が中央になりまして「快楽の園」、細長い絵の左が「楽園」、右が「地獄」となります。宗教画としてはキリスト教の伝統的なモチーフなのですが、その描き方はまさに奇想天外。絵画史に突然変異で現れた画家といえるでしょう。その個性的な作風はブリューゲル(父)などに引き継がれ、シュールレアリス...2020.09.26 14:51旅道具と芸術巡礼
ジョン・エヴァレット・ミレイ「オフィーリア」(1852)低反発ウレタンで出来たアイマスク「スリーピーマスク」は優しく目を包み込み、ポンプ式のネックピローは女性でも簡単に空気を入れられます。死後の世界へ旅立つオフィーリアも心地よく眠りにつきたかったようです。歌を口ずさみながら、死へと向かうオフィーリアを描いた本作は、私の大好きな絵の一つラファエル前派の画家、ジョン・エヴァレット・ミレイの代表作です。ラファエル前派は「官能と退廃」の表現を好みました。本作では透き通るような白肌のオフィーリアと鮮やかな緑と花の対比が耽美さを演出し、この絵の魅力を何倍にも膨らませています。作中の花にも象徴的な意味があり、パンジーは「物思い」、ケシは「死」という花言葉を持っています...2020.09.25 08:16旅道具と芸術巡礼
レンブラント・ファン・レイン「テュルプ博士の解剖学講義」(1632)光と影を巧みに使って描くバロックの巨匠レンブラントが描いた集団肖像画です。(要は記念写真みたいなものですね)肖像画であることを考えると視線が妙なのも理解できますね。注文者の希望を汲み取って描かなければならないというわけです。よく見たら全然解剖学講義聞かずにドヤ顔してる人いますもんね。そもそも博士の視線もおかしいし笑ちなみに後方にいる男性が持っているのがこの絵の依頼主名簿です。こうした集団肖像画でありながら臨場感のある表現が絶賛され、26歳の青年画家の地位が確立されていったのでした。ところで、解剖されているスーツケースはLOJEL CUBO、メーカー投票による2019年のスーツケース1位だったので講義に使われたのでしょうか?それ...2020.09.23 15:26旅道具と芸術巡礼
ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」(1656)スペイン最高の絵画とも呼ばれる本作は簡単に語れるものではありません。多くの謎が散りばめられた作品なので、気になる方はネットで調べてみてください。(雑に処理)特に観賞者を絵の登場人物へと誘う、魅惑的な構成であることが最も語られる点でしょう。巨大なキャンバスに対峙する画家ベラスケスは王と王妃を描いています。どうしてそんなことがわかるかって?それは鏡の中に写った姿で描かれているからです。つまり王と王妃はこの絵の観賞者の視点に立っているわけです。ちなみにこの絵、初期は「ラス・メニーナス(女官達)」ではなく「ラ・ファミリア(家族)」という題だったようです。そんなことを知ってこの絵を眺めてい...2020.09.23 14:58旅道具と芸術巡礼
ウジェーヌ・ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」(1830)非常に有名な作品なので一度は見たことがあるのではないでしょうか。教科書で見たという方もいるかもしれませんね。フランスの国旗のイメージから、フランス革命と混同されがちですが、1830年7月革命を記念して描かれた作品です。ドラクロワは個人の感情や演出を重視したロマン主義の画家で、形式的な美と写実性を重視した新古典主義の画家との対立がありました。この絵はそんな時代背景の中でロマン主義時代の始まりを高らかに表現しているともいわれています。中央に描かれた女性はフランス共和国を擬人化したマリアンヌ。手前の男性達は日本に再上陸を果たしたデルセーのスーツケースの今後について語り合っていて…ってあれ?こんな絵でしたっけ?本日の出演ス...2020.09.22 01:10旅道具と芸術巡礼
【番外編】ウォーキングドッグスタイルするアビィロードの成人男性達大人の事情でこんな感じにぼかしております。でもこれはこれで意外と良いじゃないか!とはいえ彼ら、ちょっと近すぎますね。ソーシャルディスタンスがとれてないからこのご時世的にはNGだなぁ。私は彼らの大ファンというわけではないけれど、彼らの圧倒的な創造力に惹かれるんです。もう、だってね、曲調変化しまくってるじゃないですか。しかもあんな革新性に富んだことをたった8年いかないくらいで。凄すぎます…。やっぱりね、普通と同じことしてちゃダメなんですよ。頭のネジ外しまくって脳みそを合わせ味噌にしていかないと。所詮は我々凡人なんだからかけ算していかなきゃ!ちくしょーもっと暴れさせてくれ‼️見...2020.09.21 07:20旅道具と芸術巡礼
エドガー・ドガ「踊りの花形(エトワール、あるいは舞台の踊り子とも呼ばれる)」(1878頃)エドガー・ドガは印象派の括りで語られることの多いフランスの画家・彫刻家で、日本でも非常に人気の高い画家の一人です。ドガはバレエダンサーの絵を多く描きましたが、本作はその中でも最も有名な作品です。舞台で踊っている美しきバレエダンサー。しかしこの時代のダンサーの身分は決して高いものではありませんでした。地位の低い人が生計を立てるための職業という扱いで、特に主役以外のダンサーは薄給で、娼婦の如く扱われており、パトロン無しでは生活できなかったといわれています。この絵にもパトロンの存在が描かれており、後方にいる黒い服の男性がそうです。ドガの絵にはそうした厳しい環境で働く女性の生命力が描かれているような気がします。...2020.09.20 01:47旅道具と芸術巡礼